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富士山・吉田ルートの「弾丸登山」大幅減少か 入山規制を評価 山梨


 富士山の山梨県側登山道「吉田ルート」で入山規制が始まって約2週間。6合目にある富士山安全指導センターの事務局を担当する富士吉田市によると、2023年の同時期に比べ、夜間の登山者は3分の1以下に減った。市は「夜通しで山頂を目指す『弾丸登山』が大幅に減少している」との見方を明らかにした。

 富士吉田市は、1~9日の午後5時~午前3時に安全指導センター前を通過して7合目に向かった登山者を504人(うち外国人244人)と公表。23年の同時期は1647人(同1232人)で、外国人とみられる登山者は約8割減となる。

 市は、救護所や山小屋に状況を聞いたほか、通過者が山小屋の宿泊者や関係者の可能性が高いことも踏まえ、この間に「『弾丸登山』はほぼ見られなかった」とみる。市の担当者は「前年とは天候などの条件が異なる。推移を見ていく必要がある」と話す。日中の登山者数はやや増えているという。

 堀内茂市長は、10日の定例会見で「弾丸登山に長年悩んでいたが、ようやく解決の兆しが見えてきた。現在の状況でいけば、昨年のような危険な状態は起きないだろう」と規制を評価した。

 県は1日から、吉田ルートの登山者数を1日上限4000人とし、午後4時~午前3時は山小屋の宿泊予約者と下山者以外の通行を制限。通行料2000円の支払いも義務化している。

 県によると、5合目の規制ゲートの通過者は1~7日に1万3217人。6日土曜日が2324人で最も多かった。上限の1日4000人に達した日はなかった。通過者の内訳は山小屋宿泊者が7284人、日帰り登山が5933人。通行予約をしていたのは8154人で約6割を占めた。県富士山保全・観光エコシステム推進グループの岩間勝宏推進監は「想定より予約(の仕組み)が利用されていた。外国人の予約が多く、事前周知の効果があった」と話した。

 9月10日までの開山期間中の予約は、12日午後4時現在で3万6725人分。県は1日3000人の予約枠を、山小屋宿泊者2000人、日帰り登山1000人としており、7月13、14、20日は日帰りの枠が埋まったという。

 富士山の登山者数は例年、7月の連休や8月のお盆前後がピークのため、県や富士吉田市の関係者は注視している。【野田樹】

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