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「警備員」に応募したら戦地に ロシア軍巡りインドでトラブル相次ぐ


 「警備員」に応募したら、戦争の前線に送られた――。ウクライナに侵攻するロシア軍を巡り、インドでこんなトラブルが相次いでいる。戦闘で死亡するケースも相次ぎ、インド政府はロシアに対してインド人の採用中止を求めている。

 「弟はいつになったら帰れるのか。あと何日かかるんだ」。インド北部ハリヤナ州の村からロシアに渡ったサヒルさん(21)の兄は、地元紙ヒンズーに対してそう訴えた。サヒルさんは手投げ弾で負傷したが、「病院で治療を受けた後に、(再び)戦闘地域に送られると司令官に告げられた」という。

 インド政府は今も30~40人のインド人がロシア軍で働いているとみており、これまでに少なくとも4人が亡くなった。9日にモディ首相がプーチン露大統領とモスクワで会談した際にインド人の早期除隊を求め、ロシア側も除隊を約束したという。インドに残された家族は除隊の方針を歓迎する一方、不安は拭い切れていない。

 青年たちは動画投稿サイト「ユーチューブ」でロシア軍の待遇の良さなどを宣伝する動画を見て、就職のあっせん業者に接触したとされる。前線からは離れた「ロシア軍施設の警備補助員」などとして働くという説明を受けたが、ロシア到着後にパスポートを取り上げられて軍事訓練を受けた。

 地元紙インディアン・エクスプレスによると、亡くなったヘミル・マングキヤさん(23)は、インド西部グジャラート州で小さな服飾雑貨店を営んでいた。業者に30万ルピー(約58万円)を支払って昨年12月にモスクワに渡った後、ウクライナとの国境に近い軍施設に送られた。

 家族によると、戦闘地域にいる兵士に武器や弾薬を供給するなどの仕事に従事し、銃の使い方についても訓練を受けたという。

 家族はモスクワのインド大使館を通じてマングキヤさんの帰国を求めたが、返事はなかった。マングキヤさんはウクライナ東部ドネツク州で2月21日に空爆で亡くなり、3月に遺体となってインドに帰国した。

 ロシアとインドは伝統的な友好国で、インド市民の間ではウクライナ情勢を巡ってロシアに好意的な見方を示す人々が少なくない。それだけに、両国ともこの問題が2国間関係に影響を及ぼす事態は避けたい思惑がある。

 マングキヤさんの父親は地元紙ヒンズーに対し、ロシア側が1300万ルピー(約2500万円)の補償金とロシア市民権の付与を遺族に申し出たと明かした。親族はこれを受け入れ、ロシアに移住する意向だという。

 ロシア軍の外国人採用活動を巡っては、キューバからも十分な説明がないまま戦闘に参加させられたケースが報告されている。【ニューデリー川上珠実】

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