米国のキャンベル国務副長官は24日、首都ワシントンで開かれた米シンクタンク「外交問題評議会」のイベントで、在日米軍の機能強化を含む米軍の態勢見直しに関して「日本が(米軍の)運用の方法を変えるよう求めている」と説明した。日本を含む同盟国との関係について「効果的な協力関係を築くためには、他国が米国を支持するということだけでなく、米国が他国の声に耳を傾けることが必要だ」と訴えた。
4月の日米首脳会談では、自衛隊と米軍の連携を強化するため、それぞれの指揮・統制枠組みを見直すことで一致した。自衛隊は2025年3月までに陸・空・海の自衛隊の運用を一元的に担う統合作戦司令部を新設することが決まっており、米インド太平洋軍も組織改革の案を検討している。
キャンベル氏は「日本はインド太平洋地域で数十年間続いてきた運用のあり方を見直すよう求めている。日本が変革を要求し、(米側に)行政機構上の課題が出てきている」と述べた。
また、11月の米大統領選で共和党のトランプ前大統領が復権する可能性を念頭に「米国の内政の先行きに不確実性があるのは確かだ。しかし、戦略的なパートナー国の多くが後退するのではなく、むしろ対米関係に労力をかけているのは興味深い」と指摘。「米国の政治に何が起きても、こうした(関係強化の)努力が続いてほしい」と強調した。
一方、北朝鮮がロシアのウクライナ侵攻で使う兵器を供与した見返りとして、核兵器や長距離ミサイルの開発でロシアの支援を受ける可能性を指摘。プーチン露大統領の訪朝にも言及し、「中国は露朝関係の接近に不安を抱いており、北朝鮮の挑発的行動によって北東アジアに危機が生じることも懸念している」との見方を示した。【ワシントン秋山信一】