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娘を守れなかった 8年自責の母、中学生に説いた「自分を許す力」


 次女を2005年に交通事故で亡くし、「あいち交通犯罪死ZEROの会」代表を務める佐藤逸代さん(61)=岐阜市=が、愛知県豊橋市の牟呂中学校で講演し、命の大切さを訴えた。

 同校と被害者サポートセンターあいち、県警豊橋署の協力で開かれ、全校生徒ら約600人が参加した。

 佐藤さんの次女有希さんは中学1年だった同年7月、信号無視の車が引き起こした事故に巻き込まれて亡くなった。佐藤さんは2年後、自らの体験などを語る活動を始め、学校や企業などで年間約50回講演している。

 この日の講演では「娘の命を守れなかった自分を責め続け、許そうと思えるまでに約8年かかった」と振り返り、「これからの人生にはいろいろあると思う。でも、自分を許し、思いやり、愛する力があれば、必ず未来は光へと向かっていく」と呼びかけた。

 時折涙を流しながら訴えかける佐藤さんの言葉に、会場では一緒に涙ぐむ生徒もいた。3年の熊愛さんは「つらい思いをしながらも、それを乗り越えて自分にできることを考えて生きていくことが大切なんだと感じた」と話していた。【永海俊】

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