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エアバッグや衝突試験でも 大手5社で横行の自動車認証不正


 ダイハツ工業などで相次いだ自動車の型式指定を巡る認証不正問題で、国土交通省は3日、トヨタ自動車、マツダ、ヤマハ発動機、ホンダ、スズキの計5社からも不正の報告を受けたと発表した。一連の問題でトヨタ本体の認証不正が発覚するのは初めて。国交省は5社に対し、不正のあった車種の出荷を停止するよう指示した。4日から順次立ち入り検査を行い、行政処分などを検討する。

 トヨタは安全に関わる衝突試験で虚偽のデータを提出していた。豊田章男会長は3日に東京都内で記者会見し、「認証制度の根底を揺るがすもので、自動車メーカーとして絶対にやってはいけないことだと考えている」と謝罪した。

 型式指定は自動車の大量生産に必要な制度で、新車やエンジンなどが安全や環境に関する性能の基準(保安基準)を満たすか国交省が審査、認証する。クリアすれば国から型式指定を受け、1台ずつ車検を通さなくても車を生産・販売できる。

 2022年以降、トヨタグループのダイハツや豊田自動織機などで型式指定の認証を巡る不正が相次いで発覚。国交省は自動車メーカーと装置メーカーの計85社に、過去10年分の調査を指示していた。5月末時点で85社のうち68社が調査を終え、うち64社は不正はなかったと答えた。トヨタを含む17社は調査を継続している。

 国交省への回答によると、トヨタは現在生産している3車種(カローラフィールダー、カローラアクシオ、ヤリスクロス)で、必要な衝突試験を一部行わず、別の部分のデータを流用するなどしていた。過去に生産していた4車種(クラウン、アイシス、シエンタ、RX)では、本来は衝突させてエアバッグが作動するか確認する必要があるのに、タイマーで自動的に作動させるなどの不正があったという。同様の行為は、23年に発覚したダイハツでも確認されていた。

 マツダは、生産中の2車種(ロードスターRF、MAZDA2)について、エンジンの出力試験で良い成績が出るよう不適切な操作を行っていた。過去に生産していた3車種では、トヨタと同様にエアバッグの試験で不正があった。

 また、ヤマハは生産中のバイク「YZF―R1」で、騒音試験を不適正な試験条件で実施。他にも過去に生産していた2車種で、警音器の試験で虚偽の記載があった。ホンダは過去生産の22車種で、スズキは過去生産の1車種で、それぞれ試験の成績書に虚偽の内容を記していた。

 国交省は24年1月、不正のあったダイハツの3車種について型式指定を取り消している。今回不正が見つかった生産中の車種についても、改めて保安基準に適合するか確認し、指定の取り消しが必要か判断する。

 国交省は相次ぐ不正を受け、4月に型式認証に関する有識者会議を発足させている。85社への調査結果を踏まえ、今夏にも不正の防止策を取りまとめる予定だ。【原田啓之、佐久間一輝】

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