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警察が「見間違えた可能性」 シートベルト巡る処分は違法 福岡地裁


 シートベルトを着用して車を運転していたのに、警察官の見間違えで道路交通法違反で検挙されたとして、福岡県みやま市の男性が福岡県に対し、この違反事実を基に「一般運転者」とした免許更新処分の取り消しを求めた訴訟の判決が22日、福岡地裁であった。林史高裁判長は「見間違えた可能性があり、違反行為を認めるに足りる証拠はない」として処分を取り消し、免許証を「優良運転者」とするよう命じた。

 判決によると、男性は2020年5月にみやま市山川町原町の交差点付近で、シートベルトを着用せずに車を運転したとして検挙された。男性は当初から「違反はしていない」と訴えた。だが、21年3月に免許証の更新を申請したところ、この違反に基づき「一般運転者」の免許証を交付されたため、22年8月に更新処分の取り消しを求めて提訴した。

 判決は、パトカーからは運転者の胸元以上しか見えず、シートベルトと男性の服が同系色で、警察官が違反を確認した直後に男性に声を掛けた際はシートベルトを着用していたことから「警察官が見間違いをした可能性も排除できない」と判断。違反行為は認められないため、一般運転者とした処分は違法と結論付けた。

 県警の土谷武紀首席監察官は「判決内容を精査した上で、適切に対処してまいります」とコメントした。【志村一也】

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