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偶然通りかかった医師、心肺停止状態の女児救う 交番のAEDで処置


 偶然が重なり女児の命が助かった――。今月1日、神奈川県のJR鎌倉駅前の交番に心肺停止状態の女児(8)が運び込まれた。たまたま通りかかった小児科医の高原麻里子さん(44)が交番に設置されている自動体外式除細動器(AED)で救命処置。女児は病院に救急搬送されて一命をとりとめた。

 その日、高原さんは早く仕事が終わり、いつもより1本早い電車に乗って帰路についた。午後6時15分ごろ、鎌倉駅に着くと、駅前交番に親子3人が入っていく姿を見かけた。通り過ぎたが、どこか異変を感じてすぐに交番に駆け込んだ。

 交番の中では女児が床に寝かされ、父親が必死に人工呼吸をしている。救急車を慌てて呼ぼうとする母親。警察官も動揺し慌てている様子だ。女児は目を見開いたままぐったりとしている。「心停止の状態だ」。すぐにそう判断したという。

 「AED貸して!」。交番のAEDが目に入った高原さんは、女児の脈を取り、AEDのパットを貼り付けた。女児は1回の電気ショックで意識を取り戻し、大泣きした。救急搬送されて入院したが命に別条はなかった。女児は心臓に持病があり、突然に倒れたという。

 鎌倉署は19日、高原さんの迅速的確な行動に感謝状を贈った。森文男署長は「すぐに処置するのはなかなかできない。我々も見習いたい」と称賛。高原さんは「救命処置は初めてのことだったのでホッとした。医師になって良かった」と笑顔で応えた。

 県警は2014年以降、県内全ての警察署と交番、駐在所にAEDを設置しており、利用を進めている。AEDは心臓がけいれんした際に電気ショックを与え、正常な動きに戻す。電気ショックが1分遅れるごとに救命率は10%低下するという。

 消防庁によると、22年の救急車が到着するまでの時間は全国平均で10・3分。心臓が原因で心肺停止した人に対し、現場に居合わせた人がAEDを使用した割合は約4%だった。【横見知佳】

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