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イタリア・ボローニャの塔が倒壊の危機…ピサの斜塔方式で修復へ


 イタリア北部ボローニャ市で12世紀に建造され、街のシンボルとして愛されている斜塔「ガリセンダ塔」が倒壊の危機に陥っている。市は3月、約30年前に同国中部の世界的観光名所、ピサの斜塔の修復に用いられた方法で救出を試みる方針を決めた。イタリアの地元紙などが報じた。

 ガリセンダ塔は高さ48メートルで、12世紀初頭に建てられた。地盤沈下で建設中から傾き始め、14世紀には当初約60メートルだった塔の一部を取り壊した。その後は約4度の傾きを維持してきたが、5年前ごろから状態が悪化。2023年春、塔に付けられたセンサーが異常な動きを察知した。専門家の調査で倒壊の危機が迫っていることが分かり、ボローニャ市は23年10月、付近を立ち入り禁止にした。

 市が倒壊を防ぐ方策として採用を決めたのは、1990年から01年にかけてピサの斜塔で実施された修復工事の技術だ。大型クレーン2基を塔の両側に設置し、地下30メートルの深さまでくいを打ち込みクレーンを固定。次に塔の中央部、高さ約18メートル付近をベルトで取り囲み、2基のクレーンの上部とケーブルでつなぐ。こうして当面の安定を確保したうえで、塔の基礎部分にモルタルなどを流し込み、最後に上層階の補強に着手する計画だ。

 改修には約10年かかり、総工費は2000万ユーロ(約32億5000万円)に上るとみられる。国や州、市の予算だけでは足りないため、ボローニャ市は市民の寄付も募っている。

 ボローニャ市は中世の面影を残す観光地として知られ、「ポルティチ」と呼ばれる特徴のある屋根付きの回廊が、21年に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録された。

 周辺ではかつて多くの塔が建てられ、14世紀には100基を超えた。だが安全上の理由から次々と取り壊され、現在残るのは20基程度。ガリセンダ塔と、隣接する高さ約97メートルの「アジネリ塔」は、長く街の象徴として親しまれている。ボローニャ市はガリセンダ塔を世界遺産に加えるよう、ユネスコに申請する方針を表明している。【ブリュッセル宮川裕章】

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