韓国、2基目の独自軍事偵察衛星を打ち上げ 北朝鮮の監視を強化

　韓国国防省は8日、現地時間7日に米南部フロリダ州のケネディ宇宙センターから軍事偵察衛星を打ち上げ、成功したと発表した。独自開発した衛星の打ち上げ成功は2基目。核・ミサイル開発を加速させる北朝鮮への監視をさらに強化する狙いがある。北朝鮮も近く2基目の軍事偵察衛星を発射するとみられており、偵察能力を巡っても南北間の競争が激化している。

　韓国は従来、北朝鮮に対する偵察情報の多くを同盟国の米国に頼ってきた。1基目は曇天の日に地上を十分に撮影できない懸念があったが、2基目では天候に左右されず監視する能力を強化する。今後、2025年までに計5基体制とする方針。これにより、米軍の早期警戒衛星などと連携し、北朝鮮のミサイル発射の兆候を事前に探知して先制攻撃する「キルチェーン」戦略や、ミサイル防御体制などの強化を図る。

　北朝鮮は、23年11月に軍事偵察衛星「万里鏡1号」を打ち上げ、地球周回軌道に乗せることに成功したと発表。24年中に追加で3基発射する方針を示している。【ソウル福岡静哉】