真っ赤な色が食欲を誘う福岡特産「辛子（からし）明太子」のメーカーに最近、消費者から「安全なのか」などと問い合わせが続いているようです。博多で70年以上、愛され続けた味が、なぜ今になって？
Q 辛子明太子を製造している会社に最近、消費者や取引先から「安全なのか」といった問い合わせが来ているって聞いたけれど、どうして？
A 小林製薬の「紅こうじ」のサプリメントを使用した人から、健康被害の報告が相次いでいる問題が背景にあるようです。明太子が赤い見た目をしていることから「紅こうじと関係があるのでは」という心配があるようです。
Q 明太子の赤色と紅こうじって関係はあるのかな？
A 小林製薬の紅こうじ原料が明太子に使用されているという事例は現在のところ、確認されていません。明太子メーカーでつくる「全国辛子めんたいこ食品公正取引協議会」（福岡市）によると、紅こうじの色素を明太子の着色料として使用するケースは一般的ではないそうです。最近では、着色料自体を使用していない明太子も珍しくないようです。
Q 実際にどれぐらいの問い合わせが来ているのかな？
A 福岡県を中心に約50店舗を展開する明太子メーカー「かば田食品」（北九州市）によると、問題が発覚して以降、「着色料として紅こうじを使っていないか」などと問い合わせが寄せられているとのことです。3月26日には、ホームページに「弊社が製造・販売している商品には『小林製薬製紅麹（こうじ）』は使用しておりません」などという案内文を載せ、無関係であることを消費者にも説明しています。
Q 赤いから危なそう、という先入観は間違いのもとになりそうだね。
A 同協議会の竹内昌也会長によると、明太子の添加物などはルールに従って表示されています。我々も正確な情報を基にした、冷静な判断が求められています。回答・田崎春菜、宗岡敬介（社会部西部グループ）
