トランプ氏不倫口止め事件、公判延期要請を却下 NY州の裁判所

　トランプ前米大統領が、不倫相手の女性への口止め料を不正に処理したとして起訴された事件で、ニューヨーク州の裁判所は3日、トランプ氏側の公判延期の申し立てを却下した。米メディアが報じた。初公判は今月15日に開かれる。

　トランプ氏側は先月、大統領在任中の行為は刑事責任を免れるという「免責特権」について、連邦最高裁が判断を下すまで公判を無期限に延期するよう申し立てた。トランプ氏は今回を含めて四つの刑事事件で起訴され、このうち2020年大統領選の敗北結果を覆そうとしたとして昨年8月に起訴された事件に関して免責特権を主張。今回の事件でもいくつかの行為が大統領在任中に当たるとしたが、裁判所は申し立ての時期が遅いなどとして、これを却下した。

　11月の大統領選で返り咲きを狙うトランプ氏は、選挙戦で不利になるのを避けるため、裁判を先送りする戦術を取っている。今回の事件を巡っては「偏見に満ちた報道」が公判の陪審員候補にトランプ氏が有罪だと信じさせているとの主張に基づき、公判延期に向けた別の申し立ても既に行った。トランプ氏は無罪を主張し、不倫も否定している。【ニューヨーク中村聡也】