人気のランドセルの色は男子が黒、でも女子は……。かばんメーカーでつくるランドセル工業会（東京都台東区）が今春小学校に入学する児童の親を対象にランドセルの流行色を調べたところ、長年親しまれてきた「定番色」の後退が鮮明になった。
男子の1位は黒で全体の51・4％を占めた。調査を開始した2018年から不動の1位ではあるが、70％だった20年に比べると割合は徐々に減少している。代わって人気を伸ばしたのが、2位の紺（17・5％）と、3位の青（13・3％）だ。④緑（4・7％）⑤うす茶（2・8％）――と続く。
女子の1位は「紫・うす紫」で全体の28・5％を占め、4年連続で首位を守った。19、20年調査でトップだった「赤」は4位（10・6％）に後退した。2位には桃（21・0％）、3位には水色（16・8％）が食い込んだ。
工業会は「男女を問わず、特定の色に集中せず、それぞれ自由に好きな色を選ぶ傾向が続いている」としている。
ランドセルの検討開始時期を尋ねたところ、例年同様、入学1年前の4月がピークだった。それ以前から検討を始めた人も多く、早期化が加速している。購入時期は前年の5月（20％）や8月（12・3％）などゴールデンウイークや夏休みに動く傾向が強かった。
価格はどうか。購入金額帯は「6万5000円以上」が37・6％で最も多く、次いで「5万5000～6万4999円」（22・5％）となった。5万円を超える高価格帯が約半数を占めた形だ。
ランドセル選びのポイントは半数以上の51・7％が「子供の好きな色だった」と答えた。「デザインがよかった」（35・5％）も多かった。
新型コロナウイルス禍もあり、小学校でも配布されたタブレット端末を使った授業が増えている。この影響か、「軽かった」（23・2％）との回答も目立ち、子供の使いやすさに対する配慮もみえる。
調査は24年2月にインターネットで実施。新しくランドセルを購入した1500人の回答をまとめた。【嶋田夕子】
