starthome-logo 無料ゲーム
starthome-logo

「シングルファザーになりまして。」 浮き彫りにする社会の違和感


 劇作家、山谷典子さん(47)の新作「シングルファザーになりまして。」が東京都杉並区高円寺北2の「座・高円寺」で上演されている。若い妻が家を出て、60歳にして育児に向き合う男性をめぐる物語だ。

 主人公は、32歳の年の差がある女性と再婚した飲食店の経営者。還暦を迎えて娘が生まれ、「この子が二十歳になったら自分は80歳か」と行く末を考えながら店舗拡大を図っていたところ、生後3カ月の娘をおいて妻が突然、家出した。救いの手を差し伸べたのは、夜間保育園の園長や保育士、同じ園に預けるシングルマザーら保護者たちだった――。

 自身も6歳の長男を育てる山谷さんは、米国から始まった「#MeToo」運動を受け、「女性が違和感を口に出すことが批判されない世の中になってきたが、依然として『母親はこうあるべきだ』という重圧は続いていると感じている」といい、「評価をし合う人間関係や社会が、私たちを生きづらくさせている」と語る。舞台では、シニアの男性が育児に奮闘する姿を通して、女性たちが直面する問題を浮き彫りにする。

 29日の公演のアフタートークに登場した劇作家の永井愛さんは、「山谷さんの実体験が盛り込まれた作品だと思う」と述べ、「シングルファーザーになったからといってすぐさま女性たちが置かれた状況を理解し、人権を尊重するわけではない。それぞれが自分らしく生きていく社会をどう築くかが問われている」と話した。

 31日まで。詳細は演劇集団「Ring―Bong(リンボン)」のホームページ。【明珍美紀】

    Loading...
    アクセスランキング
    starthome_osusumegame_banner
    Starthome

    StartHomeカテゴリー

    Copyright 2024
    ©KINGSOFT JAPAN INC. ALL RIGHTS RESERVED.