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26年かけ悪戦苦闘 北海道・帯広の農業法人、自社初のブランド和牛


 肉用牛約5500頭を飼育する北海道帯広市の農業生産法人「トヨニシファーム」は、自社初のブランド和牛「雪美和牛・ゆたか」を4月から販売する。1998年に和牛の肥育を始め、試行錯誤を繰り返して26年がかりでブランド化にこぎ着けた。小倉修二社長は「途方に暮れるときもあったが、従業員と壁を乗り越えた」と感慨深げに話した。【鈴木斉】

 同社のブランド肉は2013年に販売開始したホルスタイン種の赤身肉「豊西牛」、21年販売の黒毛和種とホルスタイン種を掛け合わせた交雑種「帯広牛」があり、今回の和牛は第3弾だ。ただ、和牛のブランド化は悪戦苦闘の連続だった。

 牛肉の生産過程の多くは、子牛を生産・販売する繁殖事業と、子牛を育てて肉用に販売する肥育事業に分業される。

 同社は当初、子牛を仕入れて肥育する形を取っていたが、利益も含め満足のいく和牛肉を生産できず、自ら種付けして育てる繁殖にも乗り出した。歳月をかけ繁殖方法や血統の掛け合わせ、肉質を向上させる餌などの研究と改良を重ね、たどり着いたのが今回のブランド和牛だ。

 小倉社長は「和牛の繁殖事業は大変な労力が必要で、反対意見も多かった。死んでしまう子牛もいて、従業員とその場に崩れ落ちたこともあった」と振り返る。

 同社はブランド和牛の特徴を「おいしい霜降り」と説明。霜降りの状況を12段階で示す牛脂肪交雑基準(BMS)は、高級牛肉とされる6以上に設定している。名称は「十勝に舞う粉雪のような美しい霜降り」「おいしい肉で食卓をゆたかに」との思いを込めた。

 ブランドをアピールするロゴマークは、帯広市のデザイン会社「プロコム北海道」が担当。細い曲線で牛を表現し、柔らかさと繊細な味わいを強調した。

 同社はホルスタイン種2550頭、交雑種2100頭、黒毛和牛900頭を飼育。販売先は全国の飲食店やホテル、スーパーなど約1500店に達し、香港などにも輸出している。和牛は19、22年の十勝和牛枝肉共励会で最優秀賞を受賞。22年の第12回全国和牛能力共進会で優等賞にも選ばれ、そうした実績を基にブランド化に踏み切った。

 同社は3種類のブランド牛肉がそろったことで、幅広い顧客ニーズに対応できると期待する。25日に市内で記者会見した小倉社長は「和牛のブランド化で、十勝の和牛産地としての発展に貢献したい」と話した。

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