11月の大統領選で返り咲きを目指す共和党のドナルド・トランプ前大統領（77）が、31日のキリスト教の復活祭（イースター）を前に、1冊59・99ドル（約9000円）の“公認聖書”の宣伝を始めた。トランプ氏の関連企業にライセンス料が入る仕組みになっている。これまでも1足約399ドル（約6万円）の「金のスニーカー」など公認グッズを売り出しており、政治活動をビジネスに利用している。
聖書は、トランプ氏が選挙集会で登場する際に流すヒット曲「ゴッド・ブレス・ザ・USA」で知られるリー・グリーンウッドさん（81）とのコラボ商品。聖書以外に同曲の歌詞、合衆国憲法、独立宣言などが盛り込まれている。トランプ氏は26日、自身のソーシャルメディアで「一冊手に入れて、キリスト教の価値観を広めてほしい」と宣伝した。販売サイトによると、届くまでに4～6週間かかるため、イースターには間に合わない。収益は選挙運動には使われないという。
トランプ氏の公認グッズでは、今回の聖書と同様のライセンス契約に基づき、トランプ氏をモチーフにした1点99ドル（約1万5000円）の「デジタルアート」が2022～23年に発売され、約9万枚を完売した。24年2月には、Tのロゴが入った1000足限定の「金のスニーカー」も発売直後に売り切れていた。【ワシントン秋山信一】
