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ヒガシマルのうどんスープ 発売から60年 長年愛される秘密とは


 関西で「うどんだし」として名高いヒガシマル醬油(しょうゆ)(兵庫県たつの市)の「うどんスープ」。2億食の年間販売数量を誇る粉末調味料はさまざまな料理にも使える万能さが話題だ。長年多くの人に愛される秘密とは。

 うどんスープは1964年4月に発売された。粉末だしをお湯に溶かすだけで、だしの香りとまろやかなうまみを感じられる関西風の本格的なスープができあがる。

 当時、うどん玉は市場のせいろの上で売られていた。つゆは家庭で手作りされていたが、本格的な味が簡単に再現できるとして注目を集めた。関西圏の市場や商店でうどん玉とセット売りを始め、73年に8袋入りで全国のスーパーへ展開。徐々に販売量は増えていった。前谷成生・営業連絡副部長は「さぬきうどんブームなどで家庭で食べる機会が増え、薄色のつゆの文化も全国的に広まった」と分析する。

万能調味料としても活躍

 多くの人をとりこにするスープの魅力はだしと粉末にあるようだ。しょうゆと甘みとだしが基本ベースで、だしを生かしながら味をまとめる同社の「淡口(うすくち)しょうゆ」を使い、それに合う昆布とカツオ節をいろいろ試した。ベストマッチだったのが、北海道産の真昆布と鹿児島県産のカツオ節。真昆布は水揚げする浜ごとに味が異なるため、今でも毎年品質比較をし、どこの浜のものを使用するかを見直している。

 粉末だしには細かくした真昆布とカツオ節そのものが入っており、お湯を注ぐだけでできたてのような新鮮さが味わえる。原料の産地や配合の試作を重ね、雑味を取るため不必要なものはそぎ落としてきた。

 「また食べたくなる味」と消費者の胃袋をつかんだスープは、万能調味料としても活躍している。唐揚げの下味に使ったレシピはSNS(ネット交流サービス)上で話題となり、「ヒガシマルのうどんスープ最強説」という言葉が飛び交った。

 同社は公式ホームページでレシピを200以上掲載し、茶わん蒸しやパスタ、ギョーザなど和洋中に使える多用途性をアピール。製造元のヒガシマル食品の松村泰憲・商品管理課長は「こんな料理もできるんだと知ってもらいたい」と話す。

 約10年前に関東圏でもテレビコマーシャルを流し始め、全国的に認知度も上がってきた。その一方で、出荷量などを見ると関東圏での使用率はまだまだ低いのが現状という。そのギャップを埋めるため、味を知ってもらうイベント開催にも力を入れる。2023年3月には東京・池袋で試食会を実施。60周年の今年は全国でイベントを開催する予定だ。

 前谷副部長は「おいしさを知って食べ続けてもらうのが一番大事。うどんスープをきっかけにカレーうどんスープなども試してもらい、またうどんスープに戻ってきてもらえたらうれしい」と期待する。【喜田奈那】

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