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「言葉にならない」 水俣病訴訟、請求棄却で原告ら涙 熊本地裁


 地域や年代などで水俣病被害者特措法(特措法)に基づく救済を受けられなかった熊本、鹿児島両県などの住民ら144人が国と県、原因企業チッソ(東京)に賠償を求めた訴訟で、提訴から11年を経て熊本地裁が22日に言い渡した判決は、全ての原告の請求棄却だった。原告らは「言葉にならない。不当判決だ」と声を詰まらせた。

 午前9時10分、熊本地裁正面玄関前で傍聴整理券の配布が始まり10席の一般傍聴席に対し185人が列を作った。全面勝訴した大阪訴訟に続く熊本地裁の判断に対する関心の高さがうかがえた。

 午前10時過ぎ、原告や支援者ら約300人による門前集会。森正直・原告団長が「やっとこの日を迎えることができた。絶対に勝つ気持ちでここにきた」と声を張り上げた。

 しかし、品川英基裁判長が判決を読み上げた直後の午前11時1分、地裁から出てきた弁護団が「不当判決」「すべての水俣病被害者の救済を」と書かれた旗を出すと、傍聴できなかった原告らからはため息が漏れた。唇をかんで涙を浮かべる原告の姿も。今後判決が予定される熊本県上天草市、第5陣の原告男性(77)は「勝てると信じていた。現地視察までして裁判長は何をみているのか」と言葉を詰まらせた。

 園田昭人弁護団長も「被害実態を直視すればこのような判決になるはずはない。全くの不当判決だ」と憤った。

 一方、同県の蒲島郁夫知事は「県としては認定審査を丁寧に進め水俣病の教訓の発信、地域の振興などに引き続き取り組む」とコメントした。【野呂賢治、西貴晴、中村園子】

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