さまざまな宗教2世による団体「宗教2世問題ネットワーク」は22日、キリスト教系新宗教「エホバの証人」が4月以降に大会を開く32自治体に要望書を送付した。宗教2世の児童を大会に強制参加させないことなどを求めた。
国の指針は、児童に対して就学や日常生活に支障が出るまでの宗教活動を強いることをネグレクト(育児放棄)とし、年齢に見合わない性的な表現を含んだ資料を見せることは性的虐待にあたるとしている。
エホバの証人は信者を一堂に集めて教義を伝える大規模な大会を定期的に開催。ネットワークによると、2023年度は1カ所3日間の日程で全国42カ所で実施された。教団は事前に「3日間全てに出席できるよう、先生や雇い主に大会の日付を十分前もって知らせておくとよい」とした文書を信者向けに送信していた。
教団は4月以降についても信者に同様の文書を送信しており、ネットワークは「信者である保護者の求めを拒むことは非常に困難であり、児童生徒の就学の権利が侵害される」と指摘。大会で使われる公共施設を管理する32自治体に対して、国の指針を周知することや、教団による虐待行為が起きないように対処することを要望した。
エホバの証人日本支部は「全く根拠のない主張を引き続き繰り返していることを非常に残念に思う。大会に関する文書は出席を望む人がスケジュールを調整しやすくするために送られるもの。出席を指示したり強制したりするためのものではありません。大会の内容が児童虐待にあたると指摘された例はこれまでに全くありません」などとコメントした。【宮城裕也】