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トランプ氏、メキシコ生産の中国車に「100%関税」 大統領選演説


 11月の大統領選で返り咲きを目指す共和党のトランプ前大統領は16日、中西部オハイオ州で演説し、中国メーカーがメキシコで生産した自動車に対して「100%の関税をかける」と述べた。日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収計画も「私なら許さない」と改めて表明。米国の企業や雇用を守る姿勢を強調した。

 トランプ氏は「巨大な自動車製造工場がメキシコに建設されている。米国人は雇用せず、車を米国に売ろうとしている。それはダメだ。我々は国境を越えてくる車に100%の関税をかける」と述べた。

 中国メーカーは北米生産車が米国で税制優遇措置の対象になりやすいことを踏まえ、メキシコで生産拠点の整備を進めている。トランプ氏は従来、メキシコ生産の中国車に「50%の関税をかける」と主張していたが、対中警戒論が高まっていることを背景に主張を強めた形だ。

 一方、米国の製造業保護を訴える文脈で「私が選ばれなければ、大不況(Bloodbath)になる」と強調。「大量殺人」も意味する単語を使ったことに対して、民主党のバイデン大統領の陣営は「政治的暴力の脅迫を倍加させている。もう一度(21年の)連邦議会襲撃事件のような事態が起きるのを望んでいる」と非難した。

 トランプ氏は16日の演説で、不法移民について「私の意見では、一部は『人間』ではない。しかし、極左がひどい発言だと言うから、そういう発言を許されていないのだ」と発言する一幕もあった。【ワシントン秋山信一】

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