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車用の枕開発、きっかけは長距離運転手 発想とスピード感を重視


 インターネットサイトやテレビショッピングで見かける、話題のヒット商品を次々生み出している。ヘルスケア商品の企画販売を手がける「アメイズプラス」(名古屋市中村区)は、EC(電子商取引)市場の拡大とともに成長してきた。強みはアイデアとスピード感。「美容と健康」をテーマに、最近は社会課題の解決にも力を注ぐ。

 「うちの商品です」。案内された部屋には靴、枕、調理器具など多種多様な品が並ぶ。四角い布製のクッションは、室内で使うトランポリン用器具。新型コロナウイルスの流行時に大ヒットし、2020年度グッドデザイン賞を受賞した。

 会社の設立は08年。当初は健康雑貨やシューズ、化粧品を企画し、カタログ通販会社や生協を通し販売していた。その後はネット通販の隆盛に伴い楽天市場やアマゾンといった大手サイトに出店し、売り上げを伸ばした。

 急成長を遂げた一つの契機はコロナ禍だった。健康志向と巣ごもり需要が相まって、インテリアにマッチするエクササイズ用品が飛ぶように売れた。19年12月に自社の総合ECサイトを立ち上げたところ、その後1年間の売り上げは前年比1・5倍に。翌年は1・9倍に伸びた。

 サイト上に商品があふれる時代、流行の移り変わりは早く消費者の目は厳しい。同社は昨年、153の商品を企画した。「なかなかのスピード感だと思います」と広報担当の中平充輝さん(23)。「一気通貫型」のビジネスモデルで、製造以外の企画開発、ブランディング、ECサイトの運営、物流まですべて自社で行う。全体を把握し、意思疎通を図りやすいという。

 先月、長距離運送会社と共同で開発した枕を発売した。きっかけは、企画担当の深尾英生さん(25)が旅先でホテル代を浮かそうと車中泊した経験から。不自然な姿勢のため1時間ごとに目が覚める。車内で仮眠する機会の多い運転手はどうしているか調べると、同じ悩みを抱えていた。

 運送業界は4月から、4時間以上連続して運転する場合は30分以上の休憩が求められる。狭い車内で少しでも体を休めるにはどうしたらいいか。「巻き肩、猫背が気になる」という運転手の声を参考に、イスに腰掛けた状態で胸を開いて伸ばせる形を考案した。

 中平さんは「今後も自分たちが得意とする分野で社会課題を見つけ、解決策を提案していきたい」と話している。【太田敦子】

アメイズプラス

 従業員120人(グループ会社含む)、年商43億円。社長は、創業以前から友人だった山本良磨氏と山田忠和氏の2人が務める。扱う商品は寝具、アクセサリー、焼き物、食品など幅広く、コンセプトに応じて12のブランドを展開する。現在はネット販売が7割強を占める。

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