札幌ドーム、赤字幅拡大の見通し 市側、収支計画の見直しも示唆

　札幌ドームの2023年度収支見通しについて、札幌市は14日、当初試算より赤字幅が拡大する見通しであることを市議会第2部予算特別委員会で明らかにした。市は23年度から5年間トータルで黒字となる収支計画を公表しているが、計画の見直しも示唆した。

　市の収支計画によると、札幌ドームは23年度、約2億9400万円の赤字となる一方、その後の4年間は黒字化し、5年間トータルで約900万円の黒字を見込んでいる。これに対し、収支の現状を問われた金谷泰亨・市スポーツ部長は「イベント開催実績は98件となり、計画の107件には届かない。収益性の高いコンサートが計画の半分となり、貸し館収入が減少する見通し」などと述べ、想定よりも赤字幅が拡大するとの見方を示した。

　収支改善に向けて、収益性の高いイベントの誘致やネーミングライツ（命名権）協賛企業の早期契約などに取り組む考えを示した上で、金谷部長は「計画の見直しも含め、（札幌ドームを管理・運営する第三セクター）株式会社・札幌ドームの経営にしっかり関与し、筆頭株主の責任を果たしたい」などと述べた。【高山純二】