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北海道で盛り上がる「マンガミュージアム構想」 出身の漫画家多く


 人気マンガ家を排出し続ける北海道で、マンガの原稿を収集する文化施設を設立しようという動きが盛り上がっている。道内出身の漫画家らでつくる「北海道マンガミュージアム構想」の提案を受けて、札幌市はまちづくりや観光などの拠点としての可能性を探り始めた。「構想」の呼びかけ人で札幌市出身の大和和紀(わき)さん、上砂川町生まれの山岸凉子さんの作品展を主催するなどして検討を進めている。【今井美津子】

 札幌市中央区の東1丁目劇場で24日まで開催中の「『あさきゆめみし』×『日出処の天子』展―大和和紀・山岸凉子札幌同期二人展―」。「自分の好きなマンガ家は北海道出身のことが多い。けれど、あまり知られていないのがもったいない」。作品展初日の9日にあったトークショーで大和さんが切り出した。

 北海道は大和さん、山岸さんをはじめ多くのマンガ家を生んできた。市によると、マンガ家がゆかりを持つ都道府県で、北海道は東京、神奈川、大阪に続く4番目の多さ。21年に立ち上げの「構想」の発起人も、「機動戦士ガンダム」の安彦良和さん(遠軽町出身)や「銀の匙(さじ) Silver Spoon」の荒川弘さん(幕別町出身)などと錚々(そうそう)たる顔ぶれが並んでいる。

 トークショーは二人が札幌で過ごした高校時代の話題で盛り上がった。大和さんは「当時はマンガを読むことを(大人に)禁止された時代で、描く人は全然いなかった。山岸さんは初めてできたマンガ友だち。突っ込んだ話ができた」と振り返る。互いの原稿を見せ合うなどして交流を深め、ともに1960年代にデビューを果たした。

 トークショーを観覧できる初日のチケット約800枚は発売から半月あまりで完売する盛況ぶり。来場者は会場に展示中の二人の思い出の場所の紹介パネルやカラー原画、モノクロ原稿などに目を輝かせ、メッセージボードに「ミュージアム実現してください」「お二人と同郷なのは私の自慢です」と記していた。東京や関西、九州など道外から来場したという書き込みもみられた。

 これまでに国内の類似施設の調査を実施し、マンガ事業の展開について有識者へのヒアリングなどを行ってきた札幌市としては、今回の展示会がマンガの「集客力」を測る機会となった。来場者にアンケートをとって、今後の検討の材料にする。

 一方、マンガ家にとって施設の設立は、原画保存につながるという期待も込められている。今や海外に誇る日本の文化として定着したマンガ。文化庁が作品のアーカイブ化を進めているものの、膨大な「資産」をカバーし切れていない。山岸さんは「手で描いたものは希少価値がある」。大和さんは「原画保存はまだ一部の作品に限られる。枚数が多く、退色を防ぐのが難しい。自分でデジタル化もできるが手間と時間がかかる」と明かした。

 山岸さんは「展示とライブラリーが充実している」として、京都市と京都精華大が共同で設立した「京都国際マンガミュージアム」を理想に挙げる。「北海道に子どもが寝転びながらマンガを読むことのできるようなミュージアムができれば」と語った。

北海道マンガミュージアム構想の主な発起人(敬称略)

 (氏名▽代表作▽北海道とのつながり)

 大和和紀▽はいからさんが通る▽札幌市出身

 山岸凉子▽舞姫 テレプシコーラ▽上砂川町生まれ

 荒川弘▽鋼の錬金術師▽幕別町出身

 いくえみ綾▽あなたのことはそれほど▽名寄市出身

 石川サブロウ▽立ち読み厳禁▽岩内町出身

 板垣恵介▽グラップラー刃牙▽釧路市出身

 魚戸おさむ▽家栽の人▽函館市出身

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