国史跡「大安寺旧境内」で落書き 文化財保護法違反容疑で捜査

　奈良県警奈良署は8日、国史跡「大安寺旧境内」（奈良市東九条町）で白色の塗料のようなもので書かれた落書きが見つかったと発表した。文化財保護法違反の疑いで調べている。

　署によると、落書きが見つかったのは旧境内にある東塔跡の基壇（基礎）部分で、2008年ごろに石で復元された。石の表面に人の顔のような絵や文字を書いて上から塗り潰したような跡が残されていた。スプレーで書かれたとみられる。

　旧境内を管理する市教委によると、付近は誰でも立ち入ることができる。巡視担当者が7日に落書きを発見。報告を受けた市が奈良署に届け出た。少なくとも1月末時点では落書きはなかったといい、市は巡回の強化などを検討する。【川畑岳志】