温室効果ガス「密輸」で初の訴追 米カリフォルニア州の連邦検察

　米西部カリフォルニア州の連邦検察は4日、強力な温室効果ガスを営利目的でメキシコから車で「密輸」した疑いにより、同州在住の男（58）を逮捕、訴追したと発表した。司法省は温室効果ガスの不法輸入での立件は米国で初めてとしている。

　発表によると、男は家電製品の冷媒などに使われるハイドロフルオロカーボン（HFC）を車のシートや工具に隠してメキシコから米国に持ち込み、インターネット上で販売した疑い。

　HFCは地球を暖める効果が二酸化炭素（CO2）の数百～数千倍あるとされる。米政府は地球温暖化対策でHFCの生産と消費を段階的に減らす目標を掲げ、無許可での輸入を法律で禁止している。

　米環境保護局の担当者は声明で「気候変動を悪化させる違法行為から利益を得ようとする者は誰でも、その責任を問われなければならない」と述べた。地元メディアによると、男は容疑を否認している。【ニューヨーク八田浩輔】