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「つるや」の記憶忘れない 豪雨で経営者一家死亡の旅館、観光拠点に


 2020年7月の九州豪雨で経営者一家4人が亡くなった湯平温泉街(大分県由布市)の旅館、つるや隠宅(いんたく)が1日、新たな観光拠点「石畳の駅つるや」としてリニューアルオープンした。地元のゆのひら温泉観光協会が遺族から買い取り、改装した。同協会員は「『豪雨の記憶を絶対に忘れてはいけない』という気持ちがつるやのオープンであり、名前を残した意味。彼らの無念を受け止めていかなければならない」と思いを新たにした。【井土映美】

 旅館を運営していた渡辺健太さん(当時28歳)ら一家4人は同年7月7日深夜、避難中に豪雨の影響で氾濫した花合野川の濁流に車ごと流され、命を落とした。一家の死後、遺族が旅館の廃業を決めたことから、同協会が22年11月に買い取り、一家が大切にしてきた「つるや」の名前を残すことにした。

 1階の和室は、休憩スペースの他、地元の特産品やスナック菓子、酒、日用品などを並べた物販スペースに改装。温泉街付近にはコンビニエンスストアやスーパーがなかったため、宿泊客の利便性向上が期待される。また、石畳通りの入り口にあった観光案内所も旅館内に移転させる。2階部分の活用は、今後検討する。

 渡辺さんはアニメなどのサブカルチャーが好きで、インターネット上に旅館の公式キャラクター「電脳女将(おかみ)・千鶴」を製作。温泉街の情報発信などで湯平を盛り上げようと取り組んでいた。同協会は渡辺さんの遺志を継ぎ、コスプレイベントを開くなどしている。

 渡辺さんの母と同級生で、同協会の麻生幸次理事は「宿泊者が減り、湯平温泉の状況は厳しさを増している。仲間の遺志を継ぎ、つるやを足がかりに湯平にお客さんを増やしていきたい」と語った。

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