給湯器や屋根といった家の設備の点検で「修理しないと危険だ」などと不安をあおり、契約させる「点検商法」の相談が群馬県内で急増している。県は「すぐに点検させず、その場で契約しないなど慎重に対応してほしい」と注意を呼びかけている。
2023年4月～24年2月の点検商法の相談は前年同期の約1・6倍の425件。記録が残る13年度以降で最多だった22年度の277件を大きく上回っている。このうち給湯器の相談は121件で、前年度の3件から急増した。
最近の事例で、訪問した業者が「近所の屋根修理に来たが、お宅の屋根が壊れている。このままなら雨漏りする」と言って補修工事をし、約350万円を請求したケースがあった。「屋根瓦がはがれている」と点検した別の業者は当初、修理費を5000円と説明していたが、最終的に200万円を請求。給湯器の無料点検をうたう業者に配管交換工事を契約させられた場合もあった。
県消費生活課の担当者は「東京や埼玉の業者が遠征する場合もあり、複数の事業者から見積もりを取るなど、対策を取ってほしい。中には点検を次々として多くの契約を取ろうとしたり、点検時にわざと壊したりする悪質なケースもある」と話している。【田所柳子】
