
東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の教訓を後世に伝えるイベント「かたりつぎ~朗読と音楽と奇跡のピアノ~」が2日、福島県いわき市のいわき芸術文化交流館アリオスであり、被災者の体験談を俳優の竹下景子さんが朗読した。
東北大災害科学国際研究所などが2012年から福島、宮城、岩手県で開いており、いわき市では初開催。同研究所が進めるプロジェクト「みちのく震録伝」で収集した被災者の声を元にした文章を朗読している。
この日は、いわき市内の中学校で津波にのまれた後、修復されたグランドピアノ「奇跡のピアノ」を音楽家の谷川賢作さんが演奏。竹下さんが、津波から間一髪で逃げた際、自分の命を優先した罪悪感などを語った同市の大谷慶一さんの体験談など5作品を読み上げた。
最後に、ピアノを修復した同市のピアノ調律師、遠藤洋さんを交えたトークで竹下さんは「ピアノが当時の記憶を語っているようですてきだった」。谷川さんは「このピアノだからこそ伝わるものがあると思う」と話していた。【柿沼秀行】