藤井聡太名人（21）への挑戦権を争う第82期名人戦A級順位戦（毎日新聞社、朝日新聞社主催）の最終9回戦全5局が29日午前9時、静岡市葵区の浮月楼で一斉に始まった。単独首位の豊島将之九段（33）と1勝差で追う菅井竜也八段（31）との直接対決で、豊島九段が勝てば第78期に名人位を失って以来の七番勝負登場となる。菅井八段が勝った場合は、同成績で首位に並んだ棋士によるプレーオフが後日行われる。【丸山進】
菅井八段が勝った場合、菅井八段と同じ5勝3敗の永瀬拓矢九段（31）が中村太地八段（35）に勝つと首位3人によるプレーオフ、永瀬九段が敗れると豊島九段と菅井八段によるプレーオフとなる。
対局開始時点の勝敗は以下の通り（丸数字は前期成績に基づく順位）。
6勝2敗＝③豊島九段
5勝3敗＝④永瀬九段、⑥菅井八段
4勝4敗＝①渡辺明九段（39）、⑧佐藤天彦九段（36）、⑩中村八段
3勝5敗＝②広瀬章人九段（37）、⑤斎藤慎太郎八段（30）、⑦稲葉陽八段（35）、⑨佐々木勇気八段（29）
6人が残留争い
最終局の残る3局の組み合わせは、渡辺九段―広瀬九段▽斎藤八段―佐々木八段▽稲葉八段―佐藤九段戦。最終成績下位2人はB級1組に降級となる。同成績で複数の棋士が並んだ場合は、順位が低い順に降級者が決まる。
4勝4敗で3人、3勝5敗で4人が並び、前名人の渡辺九段を除く6人が激しい残留争いを演じる。
斎藤八段―佐々木八段戦では敗れた側の降級が決まる。前期B級1組から昇級した佐々木八段は順位が低いため、勝っても他の対局結果次第で降級となる。どの対局も挑戦か残留争いに絡んでおり、目の離せない対局が未明まで続く。
対局と大盤解説会をライブ配信
「第82期名人戦」の特集サイト（https://mainichi.jp/meijinsen2024/live/）で29日、豊島九段―菅井八段戦（午前9時から）と現地大盤解説会（午後2時から）をライブ中継します。パソコン、スマートフォンでお楽しみください。
