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野党「何のための弁明か」 首相、還流の経緯説明できず 政倫審


 岸田文雄首相(自民党総裁)は29日の衆院政治倫理審査会(政倫審)に現職首相として初めて出席した。首相は自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を巡り陳謝し、政治資金規正法などの法改正について今国会での実現を目指す考えを表明。だが、安倍派(清和政策研究会)のパーティー券収入の還流がいつから始まったのかなど実態解明につながる説明には至らず、野党側は「何のための(首相による)弁明なのか」と批判した。

 首相は、日本維新の会の藤田文武衆院議員から安倍派の還流が始まった経緯を問われ、「残念ながらはっきりした経緯や日時等については確認できていない。これが現状だ」などと答弁。また、共産党の穀田恵二衆院議員が、安倍派内で還流を一旦中止する話があったにもかかわらず継続になった経緯を問いただしたのに対し、首相は「捜査権等がない中にあって、なおかつ再発防止という観点を重視しながら行った聞き取り調査においては、ご指摘のような点については確認できなかった」と述べるにとどめた。穀田氏は「何ら新しい前進はない」と首相の答弁を批判した。

 首相は28日、首相官邸で記者談に「党総裁として自ら出席し、マスコミオープンのもとで説明責任を果たさせていただきたい」と述べ、政倫審への出席意向を表明。ただ、これまでも衆参の予算委などで裏金事件など政治資金を巡る問題について答弁しており、政倫審で何を説明するかに注目が集まっていた。【隈元悠太、大野友嘉子】

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