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自殺高2の父、県教委職員を蹴ったか 公務執行妨害容疑で逮捕


 28日午後2時35分ごろ、前橋市大手町1の群馬県庁24階エレベーターホールで、「訪問してきた男に足蹴りされた」と県教育委員会の職員から110番があった。通報を駆け付けた前橋署員が、同市の無職、伊藤竹行容疑者(68)を公務執行妨害容疑で現行犯逮捕した。県教委によると、伊藤容疑者は2019年2月に自殺した県立高2年の女子生徒の父親。遺族は自殺の原因が同級生によるいじめが原因だと訴えており、24日には第三者委員会が再調査結果の報告書を公表し、26日に遺族に手渡していた。

 同署によると、伊藤容疑者は「蹴っていない」などと容疑を否認しているという。職員2人にけがはなかった。

 県教委によると、伊藤容疑者は午後2時ごろに県教委を訪問。第三者委が山本一太知事に答申した報告書の内容を巡って、応対した職員に対し一方的に暴言を吐き続けたため、職員2人が伊藤容疑者を別の階に案内しようとしたところ、暴行したという。

 19年に当時17歳の女子生徒が自殺した問題では、県教委が設置した第三者委が19~20年に調査したが、内容を不服とした遺族の求めで、県が再調査委を設置し、21年7月から今年2月まで審議してきた。

 再調査委の報告書では、「学校の対応が適切であれば自死を回避できた可能性は十分にあった」などとして、学校の体制に問題があったと指摘した。自殺の原因は「いじめを含むさまざまな要因が心理的苦痛を高めた」としつつも、飼い猫の死を「直接的な要因」と位置づけた。【西本龍太朗】

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