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トラス前英首相、「陰謀論」主張で波紋 議員辞職求める声も


 英国のトラス前首相(保守党)が、自身は「ディープステート」(影の国家)のせいで退陣に追い込まれたと主張し、波紋を広げている。この言葉はトランプ前米大統領(共和党)の支持者らが使う陰謀論で、米民主党幹部や小児性愛者らによる組織を指すとされ、この組織が「世界を牛耳っている」などと言われる。首相経験者が公然と陰謀論を肯定したことで、英国内ではトラス氏の議員辞職を求める声も出ている。

 トラス氏は2022年9月に首相に就任したが、財源の見通しがないまま大型減税の方針を打ち出したことで、通貨ポンドが急落するなど市場が混乱。その責任を取る形で、在任期間わずか50日で退陣した。

 トラス氏は今月22日、米東部メリーランド州で行われた「保守政治行動会議(CPAC)」に参加。その際、トランプ氏の側近だったバノン元首席戦略官とのテレビ対談にも出演し、「私は減税や小さな政府を望んだが、英国の支配層は現状維持を望んだ」と語った。さらに英紙フィナンシャル・タイムズを手に取り、「彼らはディープステートの友人だ」と述べ、自身を辞任に追い込んだのはこうした既得権益を守る層だと主張した。

 この発言を受け、英最大野党・労働党のアシュワース下院議員はスナク首相に書簡を送付。「あなたの前任者は偽情報や陰謀論を拡散している」と述べ、議員を続けさせるべきではないと訴えた。また、野党・自由民主党もトラス氏に対し、首相経験者に支給される手当の返還を求めた。

 英国では年内にも総選挙が実施される予定。世論調査では保守党の支持率が低迷しており、トラス氏の発言がさらに党のダメージにつながる可能性もある。【ロンドン篠田航一】

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