知人女性に性的暴行を加えたとして、警視庁捜査1課は20日、映画監督で会社役員、榊英雄容疑者（53）＝川崎市中原区木月住吉町＝を準強姦（ごうかん）容疑で逮捕した。女性は当時、俳優を志望していたという。他にも複数の女性から同様の被害届を受理しているといい、捜査1課は、榊容疑者が監督の立場を利用して俳優志望の女性に性加害を繰り返していたとみている。
逮捕容疑は2016年5月23日午後10～11時ごろ、東京都港区のマンションの一室で、20代の女性に「タトゥーなどがあったら大変だから裸を確認させて」などと言い、性的暴行を加えたとしている。「冤罪（えんざい）です」と否認しているという。
捜査1課によると、榊容疑者は事件の約半年前、映画関係者が俳優志望者らに演技指導するワークショップで女性と知り合ったという。被害があったとされる当日は、榊容疑者から食事に誘っていたとみられる。
週刊文春が22年3月、榊容疑者が複数の女性俳優に性行為を強要した疑惑を報じる記事を掲載し、監督作品が公開中止になっていた。女性は当初、「俳優業で不利益をこうむる」とためらっていたが、この報道をきっかけに被害を申告したという。
榊容疑者の手掛けた作品には、東京国際映画祭のコンペティション部門最高賞にノミネートされた「捨てがたき人々」（14年度公開）などがある。【菅健吾】
