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高2死亡、上級生からいじめ 顧問が不適切指導 東海大付福岡が会見


 東海大付属福岡高(福岡県宗像市)で2021年3月、剣道部所属の2年の男子生徒(当時17歳)が自殺した問題で、同校は20日、記者会見を開き、学校が設置した第三者調査委員会がまとめた報告書の内容を公表した。報告書は上級生5人による性的被害を含む10件をいじめと認定し、部の顧問(35)の不適切な指導があったとした。一方で「自死の直接的な原因は特定できない」と結論付けた。

 男子生徒は侑大(ゆうだい)さん(名字非公表)。第三者委の報告書によると、19年4月に入学し剣道部に所属。寮に入ったが、上級生から厳しく当たられ、4~6月初旬に▽部室で部員10人以上が見ている中、体をガムテープなどで畳に貼り付けられ、下着を下ろされ陰部を手淫(しゅいん)された▽その動画を複数の生徒にSNS(ネット交流サービス)で送信された▽アダルトグッズを肛門に入れられそうになった――などの被害に遭った。

 6月中旬に侑大さんは寮を抜け出して母親に被害を訴え、顧問と相談の上で退寮。だが、顧問は学校に上級生の行為を報告しなかった。また、「再入寮はいつでも可能」としていたが、20年12月に侑大さんが申し出た再入寮を拒んでいた。また、21年3月には顧問が過大な量の学習課題を出していた。

 その後、侑大さんはスマートフォンのメモ機能にいじめ被害を訴える内容を残して自殺した。同校はいじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」に認定し、同年9月に第三者委を設置。23年12月に第三者委の報告書などを県に提出した。

 認定したいじめに関わった上級生5人のうち、寮長だった男子生徒(当時3年)は強制わいせつの非行内容で家裁送致され、2年間の保護観察処分となった。一方、顧問に対し、現時点までに学校の懲戒処分はなく、部の指導も続けているという。学校側は自死の段階でいじめ行為を把握できていなかった。津山憲司校長は「本校の教育に至らない点があり、生徒が自死したことを重く受け止め、深く反省している」と謝罪した。

母は再調査求める

 第三者委の報告書について、侑大さんの母親は「自死の直接的な原因はわからないと判断しており、この点をとても残念に思っている」とし、再調査を求めるコメントを発表。県政策課は「再調査するかは検討している」と述べた。【栗栖由喜、宗岡敬介】

相談窓口

・24時間子供SOSダイヤル

 いじめやその他の悩みについて、子どもや保護者などからの相談を受け付けています。原則として電話をかけた所在地の教育委員会の相談機関につながります。

 0120・0・78310=年中無休、24時間。

・子どもの人権110番

 「いじめに遭っている」「家の人に嫌なことをされる」など、先生や親には話しにくい相談に法務局の職員や人権擁護委員が応じます。

 0120・007・110=平日の午前8時半~午後5時15分

・こころの悩みSOS(https://mainichi.jp/shakai/sos/

 悩みを抱えた当事者や支援者への情報のほか、相談機関を紹介した毎日新聞の特設ページです。

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