ナワリヌイ氏死亡情報 ドイツ首相「勇気の代償を命で払った」

　プーチン露政権の批判の急先鋒（せんぽう）を担ったアレクセイ・ナワリヌイ氏が死去したとの報道を受け、ドイツのショルツ首相は16日の記者会見で、生前の同氏をたたえると共にプーチン政権を非難する発言をした。

　ナワリヌイ氏は2020年に猛毒ノビチョク系の神経剤で襲撃された後に、ドイツの首都ベルリンで療養していた。ショルツ氏は「療養中のナワリヌイ氏とベルリンで会い、（ロシアに）帰国するための大きな勇気について話し合った。彼はこの勇気の代償をおそらく命で払っているのだろう」と語った。「私たちは今、（プーチン政権が）いかなる政権かを正確に知っている」とロシアを批判した。

　メルケル前独首相も16日、ナワリヌイ氏の死亡情報を受け、独大衆紙ビルトに「彼はロシアの抑圧的な国家権力の犠牲となった。祖国のために立ち上がった勇敢な声が恐ろしい方法で沈黙させられたことにぞっとする」とコメントした。

　メルケル氏は首相在任中の20年、ベルリンの病院に入院中のナワリヌイ氏を見舞っていた。【ベルリン念佛明奈】