海底隆起の輪島港で土砂撤去開始 200隻出られず 能登半島地震

　能登半島地震で海底が大きく隆起した輪島港（石川県輪島市）で16日、漁船を移動できるようにするため、国土交通省北陸地方整備局が土砂を取り除く作業を始めた。水深約3～4メートルだった港は、今回の地震で浅い所で約1メートルとなり、約200隻が港から出られなくなっている。水深2・5～3メートル程度を確保できれば動かせるという。作業終了の時期のめどは立っていない。

　この日は、クレーン船が移動しながら水深が浅くなった箇所の土砂をすくい上げ、台船に積み込んでいった。北陸地整の担当者は「漁業の再開には非常に重要な作業。一刻も早く漁船の移動ができるように全力で取り組む」と話した。

　県漁協輪島支所の漁獲量は県内最大規模で、市の主要産業の一つ。同支所の上浜敏彦統括参事（58）は「作業が始まり、一歩前進。時間はかかると思うが、少しでも早く漁に出られたら」と、作業を見守った。【三浦研吾】