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H3ロケット、「暗中模索」乗り越え再挑戦 17日に2号機打ち上げ


 日本の新型主力ロケット「H3」2号機が17日午前9時22分ごろ、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられる。国産ロケットとしては約30年ぶりに新規開発されたH3は「コスト半減」を掲げ、国際的な商業市場での競争力確保を目指す。ところが2023年3月、初号機打ち上げに失敗。原因究明と再発防止策に約1年を費やし、再挑戦に期待をかける。

 H3は現行の主力機「H2A」の後継となる液体燃料ロケット。1月に48号機が打ち上がったH2Aは、50号機を最後に24年度中に退役する計画だ。「主役」交代の時期が迫る中、H3初号機は23年3月7日に発射された。しかし、2段目のエンジンが着火せず、発射から約14分後に指令破壊。搭載した地球観測衛星「だいち3号」を失った。

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)などは直後に、部門の枠を超えた緊急チームを発足。退職した職員も呼び寄せるなどして原因究明に総力を挙げた。

 8月、2段目エンジンの点火装置などの電気系統でショートや過電流が生じたことが要因であると結論づけた。さらにその原因として▽発射の振動や衝撃で「エキサイタ」と呼ばれるエンジン点火装置内の部品が破損した▽エンジン点火時に電子部品の電圧が想定を上回った――など、考え得るシナリオを三つまで絞り込んだ。

 その上で、部品の絶縁を強化し、一部の電子部品を取り除くなど、全てのシナリオを想定した再発防止策を2号機の設計に反映させた。これと共通の対策を施したH2A47、48号機で無事を実証し、2号機打ち上げに弾みをつけた。

 JAXAの岡田匡史プロジェクトマネジャーは「原因のシナリオを絞り込むまでの約半年間は暗中模索だった」と打ち明ける。1年弱で再び打ち上げにこぎ着けたことに、JAXAと共同で開発に当たった三菱重工の新津真行プロジェクトマネジャーは「組織をまたいでワンチームでやってきた。早く成功させて、応援してくれる皆さんの声に応えたい」と意気込む。【田中韻】

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