不倫相手の女性への口止め料の支払いを巡り、トランプ前大統領（77）が業務記録を改ざんしたとして起訴された事件で、米ニューヨーク州の裁判所は15日、初公判を予定通り3月25日に開くことを決めた。米メディアが報じた。トランプ氏が起訴されている四つの刑事事件のうち、今回の事件が最初に審理される見通し。
起訴状などによると、トランプ氏は初当選した2016年大統領選前に不利な情報を隠すため、自身と不倫関係があったと主張する元ポルノ女優に顧問弁護士を通じて計13万ドル（約1949万円）の口止め料を支払った。その後、弁護士に親族企業を通じて弁済した際、存在しない「弁護士費用」と偽って会計処理した疑いが持たれている。訴因は34に上り、トランプ氏はいずれも無罪を主張している。
トランプ氏は15日、マンハッタンの裁判所に出廷。米CNNテレビによると、起訴の却下を求めたが、裁判所はこれを拒否した。退廷後には自身が立ち上げたソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」を更新し「バイデンの司法省がこの件を操っている」と投稿。「これは選挙妨害だ」と述べた。
大統領選で返り咲きを目指すトランプ氏は、20年の大統領選で、南部ジョージア州での敗北を覆そうと州当局に干渉した事件など、三つの刑事事件でも起訴されている。【ニューヨーク中村聡也】
