「ロシア一層優勢」 西側の制裁効かず ノルウェー情報機関分析

　ロシアのウクライナ侵攻開始から2年が近付く中、北大西洋条約機構（NATO）加盟国のノルウェーの情報機関が現在の戦況について、「ロシアが一層優勢になっている」との分析を明らかにした。AFP通信などが伝えた。西側からの経済制裁には「ロシアは予想以上に耐えている」とも指摘し、ウクライナ側の劣勢を認めている。

　国防省管轄の情報機関・ノルウェー情報部（NIS）のステンソネス部長は12日の記者会見で、ロシアは「ウクライナの3倍の兵力を動員できる」と説明。ロシアの軍事産業は、戦力を約1年維持するのに必要な戦闘車両、ドローン（無人航空機）、ミサイルを生産できる状態にあるという。

　さらにステンソネス氏は、ロシアが北朝鮮やイラン、ベラルーシから軍事支援を受けており、「1年前より一層優勢」になっていると述べた。中国は、武器以外でロシアが必要とする電子機器などを提供しているという。この状況でウクライナが巻き返すには「大規模な西側からの武器援助が必要」と指摘した。

　ノルウェーはウクライナに米国製F16戦闘機を供与する方針を示している。【ロンドン篠田航一】