地酒「竹泉（ちくせん）」で知られる兵庫県朝来市山東町矢名瀬町の田治米（たじめ）合名会社で6日、フランスから来日中の男女8人が蔵人（くらびと）体験をした。映画「007 カジノ・ロワイヤル」などに出演している人気女優、エバ・グリーンさんも参加。日本酒独自の製造工程を体でも味わった。
仏で日本酒の輸入卸を営むシメオン・モラーさんとジュリアン・カゾーラさんが主催する、日本酒を深く知るためのツアーで4回目。書店経営者やビール醸造家、検査技師ら参加者の職業はさまざまだが、日本酒好きまたは日本酒に興味があるという。1週間かけて酒蔵や麴（こうじ）製造会社、精米工場などを訪問する旅程の中で、2泊3日で蔵人体験がセッティングされた。
2日目となるこの日は、「コウノトリ育む農法」で育てられた山田錦の蒸米（むしまい）を使った作業に。参加者は、杜氏（とうじ）から説明を受けながら蒸米に麹と水を加える「三段仕込み」や、種麹を振りかけ混ぜる「種切り」などを体験した。
グリーンさんは「蒸米を運ぶのが重く、タンクの中を混ぜるのにもかなり体力を使った。暑い麹室の中で細かな作業することにも驚いた」と振り返りながら、「頂いたかす汁は、作ってくれた人の心がこもっていておいしかった」と笑顔をみせた。参加者は試飲も楽しんだ。
カゾーラさんは「日本酒はフランスで食べる料理とも相性が良くおいしい。もっとフランス人に日本酒を広めたい」と話していた。【中治愛美】
