シャチの群れ、流氷に挟まれ動けず 必死に呼吸、下あごから血も

　6日午前、知床半島にある北海道羅臼町沖の根室海峡で、10頭余のシャチが押し寄せて来た流氷に挟まれ「身動きができなくなっている」と、羅臼海上保安署に通報があった。

　地元住民らによると、シャチの群れは羅臼町海岸町の沖合約1・6キロの位置で、幅10メートル以上の大きな氷に挟まれ、10メートル四方ほどのわずかな開氷面に閉じ込められたとみられる。

　シャチが警戒する時に海面から頭を出して周囲を見渡す「スパイホップ」のような姿勢で必死に呼吸する姿が確認できる。下あごから血を出している個体も複数おり、脱出しようともがくうちに傷ついてしまったらしい。

　羅臼町沖では2005年2月にも、シャチの群れが流氷に閉じ込められた。町内に住む男性（29）は「国後島寄りの沖合1キロほどには流氷がないので、もう少し辛抱すれば助かるかもしれない」と話していた。【本間浩昭】