岸田首相「容姿やゆ、慎むべき」 麻生氏の発言自体は言及せず

　岸田文雄首相は5日の衆院予算委員会で、自民党の麻生太郎副総裁が上川陽子外相の容姿について「そんなに美しい方とは言わない」などと発言し、その後撤回したことに関して「発言は撤回された。その上で、性別や立場を問わず、年齢や容姿についてやゆをする、相手を不快にさせる、こうしたことはあってはならない、慎むべきであると私は考える」と述べた。一方で、発言自体が不適切だったかについては明言を避けた。立憲民主党の石川香織氏への答弁。

　麻生氏の発言を巡って首相は、2日の参院本会議での代表質問で一般論として見解を問われ、今回と同様の内容を答弁した。麻生氏の事務所は、代表質問終了後の2日夜、麻生氏の発言を撤回するとのコメントを文書で発表していた。

　この日の予算委では、石川氏が麻生氏の発言について「残念ながら国益を害する行為だった。不適切だったと言うべきだ」などと迫ったが、首相は応じずに同内容の答弁を繰り返し、「私の思いを申し上げている」などと強調した。【樋口淳也】