バイデン米大統領は1日、欧州連合（EU）のフォンデアライエン欧州委員長と電話協議した。EUが500億ユーロ（約8兆円）のウクライナ支援を盛り込んだ予算の見直し案に合意したことを「歴史的な決断」と称賛した。
ホワイトハウスが発表した。バイデン氏は、ウクライナに対するEUの「揺るぎない支援」をたたえた。フォンデアライエン氏は自由のために闘うウクライナにとって米国の持続的な支援が「決定的に重要だ」と強調した。
一方で、米政府によるウクライナ支援は停滞している。バイデン政権は2023年10月に614億ドル（約9兆円）のウクライナ支援を含む総額約1060億ドルの緊急予算を議会に要請した。しかし、共和党の保守強硬派は米南部の国境警備を含む不法移民対策の強化を支援継続の条件として挙げており、予算案の審議は難航。23年末にはこれまでに認められた資金が底を突いた。
今年に入っても民主・共和両党による協議が続いているが、11月の米大統領選に向けた共和党の候補者指名争いで独走するトランプ前大統領が超党派の合意案に反対。共和党に強い影響力を持つトランプ氏の介入で、早期の緊急予算成立は予断を許さない状況になっている。【ワシントン鈴木一生】
