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能登半島西側で余震急減?でも楽観は禁物 今後の地震、専門家は


 最大震度7を観測した能登半島地震(マグニチュード=M=7・6)では1日午前8時現在、震度5弱以上の大きな余震が16回起き、体に感じる震度1以上の地震は1560回を超えた。いつまで大きな揺れに警戒が必要なのだろうか。

 今回の震源域は能登半島の西から北東にかけての約150キロ。大地震が起きると、岩盤が大きく壊れた震源域やその周辺で地下の力の均衡が不安定になり、しばらく余震が続く。今回も震源域の西端と東端でM6・1の余震が起きるなど全域で活発化しており、1日午前8時までに、震度6弱1回▽5強7回▽5弱8回――が観測されている。

 地震統計が専門の楠城一嘉・静岡県立大特任教授(統計地震学)によると、余震の減り方は地震学の公式である程度予測できる。それでも、おおよその予測値より減りにくいタイプと、すぐに減るタイプがある。

 楠城さんは今回の地震を後者とみる。特に能登半島の西側で余震回数が急に減る特徴がみられるという。楠城さんは「一因として、滑らずにこらえている断層が半島西側に存在する可能性がある。その場合、余震が減っても、大きな地震が起きやすくなっている恐れがある」と指摘する。

佐渡沖に「割れ残り」も

 気がかりな「割れ残り」も見つかった。佐竹健治・東京大地震研究所教授(地震学)は津波波形の解析から、能登半島北東の海底活断層のうち、佐渡島との間にある二つの活断層(長さ計約56キロ)がほとんど割れずに残っていることを突き止めた。この二つが連動した場合、M7クラスの地震と約3メートルの津波が新潟県沿岸で発生することが想定され、今後警戒が必要という。

 政府の地震調査委員会委員の宮沢理稔・京都大防災研究所准教授(地震学)によると、一般的に本震のマグニチュードから1を引いた規模、今回なら最大M6クラスの余震が、地震後約2カ月間に起きる可能性が過去のケースから見て取れるという。また、今回と同じく日本海沿岸で発生した▽新潟地震(1964年、M7・5)▽日本海中部地震(83年、M7・7)▽北海道南西沖地震(93年、M7・8)――の三つの地震では、いずれも1カ月後にM6~7・1の余震が起きた。

 能登半島は火山のない地域にもかかわらず、3年前から不思議な群発地震が続いてきた。宮沢さんは「最悪のシナリオ」として、今回の地震の影響で別の断層で大きな地震が起きるケースを挙げる。

 宮沢さんは「類を見ない現象が起きている。地震学の経験的モデルに当てはまらず、最悪のシナリオが去ったかは誰も分からない。地震活動が今後、佐渡島西方沖の海底活断層に及び、断層が破壊された場合、津波を伴う地震になりうる」と注意を呼びかけている。【垂水友里香】

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