福島・郡山のしゃぶしゃぶ店爆発事故 運営会社社長ら「不起訴不当」

　福島県郡山市の飲食店「しゃぶしゃぶ温野菜郡山新さくら通り店」で2020年7月に1人が死亡、31人が重軽傷を負ったガス爆発事故で、業務上過失致死傷容疑で書類送検され不起訴処分（容疑不十分）になった当時の店の運営会社社長ら4人について、福島検察審査会が「不起訴不当」と議決した。事故で重傷を負い、審査を申し立てた同市の美容師の女性（50）の代理人弁護士が25日に明らかにした。議決は23日付。福島地検が再捜査する。

　不起訴不当とされたのは運営会社社長のほか、ガス管の工事業者2人と点検機関の担当者1人。

　検審は議決書で、当時の社長の「コンプライアンス（法令順守）軽視と経営者としての資質欠損」が事故原因の一つと指摘。また、ガス管の設置状況や腐食したガス管の点検状況を、再現実験などで「追加捜査すべきだ」とした。

　事件を巡っては、福島県警郡山署が21年9月、死亡した内装会社社員も含めた5人を書類送検。福島地検は23年3月、5人全員を不起訴処分にした。死亡した内装会社社員に対しては審査を申し立てていない。【岩間理紀】