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「縫い子でいいです」と謙遜 79歳女性がデザイナーデビュー


 テーラーで務めた経験を生かし、趣味でデニム素材の洋服を手掛けてきた79歳の女性が、デザイナー兼洋裁師としてデビューした。千葉県木更津市の斉藤照子さんで、ウェブサイトも開設した。「自由に服作りを楽しんでいます。そんなユルいショップですが、見てくれた方々に楽しんで、もしよろしければ着て楽しんでいただければ幸いです」

 東京都内で生まれ、川崎市で育った。高校卒業後は文化服装学院(東京都渋谷区)に進んだ。2人の妹に「お金をかけずに服を作ってあげたい」と思ったからだ。卒業後は各国大使館に出入りする都内のテーラーで腕を磨いた。

 結婚を機に木更津市に移り住んだ。2人の男の子を育てながら家族や親族に手縫いの服を作った。頼まれて、舞台衣装やウエディングドレスなどを縫ったことも。最も多く扱ってきたのはデニム素材で、自ら身に付けることはないが、ジーンズを買い、思いつくままスカートなどに作り替えていた。端切れもパッチワークのようにつなぎ合わせて洋服にした。「自分の思うデザインの服を作り、売ってみたい」と漠然と考えるようになり、まずは通信販売向けに写真の撮り方を教えてもらおうと2021年夏、「木更津市産業・創業支援センター らづ Biz」(同市潮浜1)を訪ねた。それが転機となった。

 技術の高さやセンスのよさに着目した担当者から、「アップサイクル」(創造的再利用)に向けた「ファッションデザイナーを目指しましょう」と背中を押された。バックアップを受けて22年3月にウェブサイト「SAITOSHOP」を開設。23年5月には、大坂市の百貨店「阪急うめだ本店」で2週間にわたって出店し、デニム素材のコートや手提げ袋などを販売した。

 デザイナーに話を向けると「恥ずかしい。縫い子、でいいです」と謙遜しながらも、「ミシンの前に座っていることが何よりも好き。いろいろな色でも遊んでみたい」と意欲を見せた。

 ウェブサイトのトップページの写真には、斎藤さんの今を記した言葉が書かれた額が写っている。

 「GET UP/DRESS UP/SHOW UP/NEVERGIVE UP」――。遅咲きだが、足取りは確かだ。【浅見茂晴】

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