東京都江戸川区の女性（当時18歳）の遺体が山梨県内の山林で見つかった事件で、警視庁捜査1課は25日、女性を殺害した疑いが強まったとして、交際相手で江戸川区江戸川1の自称防水工、渥美遼馬被告（31）＝死体遺棄罪などで起訴＝について殺人容疑で逮捕状を取った。26日にも再逮捕する方針。捜査関係者への取材で判明した。
捜査関係者によると、渥美被告は2023年6月7日夜、江戸川区南篠崎町の会社員、野本結梨香さんを殺害した疑いがある。野本さんは事件前、渥美被告について、周囲に「しつこい相手。別れたい」などと話していたとされる。捜査1課は、渥美被告が交際トラブルで野本さんを殺害した可能性があるとみている。
事件を巡って、捜査1課は23年11月27日に山梨県小菅村の山林で、白骨化した野本さんの遺体を発見。その後に渥美被告や、高校時代の同級生で千葉県八千代市大和田新田の会社員、堀俊哉被告（30）＝死体遺棄罪で起訴＝を死体遺棄容疑で逮捕していた。
野本さんは23年6月7日午後7時ごろに外出後、行方が分からなくなっていた。堀被告は「渥美被告と一緒に6月7～8日にかけて奥多摩（東京都）方面に車で行った」などと供述。渥美被告が7日夜に野本さんを殺害した直後に、堀被告と共謀して、奥多摩から近い小菅村の山林に遺体を遺棄したとみられる。
これまでの捜査では、渥美被告が事件当時に使っていた車の後部座席に複数の血痕があったほか、血液の付着した野本さんの靴が渥美被告の自宅に残されていたことも明らかになっている。血痕や血液はいずれも、野本さんのものとDNA型が一致したという。
野本さんが死亡した翌日とみられる6月8日には、野本さんの職場に「仕事を休む」というメッセージが送られていたことも判明している。また、野本さんのスマートフォンからは23年10月下旬まで、家族らに無料通信アプリで連絡があったとされる。捜査1課はこれらについて、渥美被告による野本さん生存の偽装工作の疑いがあるとみている。【木原真希、岩崎歩、菅健吾】
