自民党派閥の政治資金パーティーを巡る事件を受け、清和政策研究会（安倍派）の西村康稔前経済産業相が地元・衆院兵庫9区内でおわび行脚を続けている。24日早朝、JR西明石駅前（明石市）で「初心に戻って精進します」と通勤客らにビラを配布した。
派閥の会計責任者らが政治資金規正法違反（虚偽記載）で在宅起訴され、西村氏本人を含む幹部らの立件が見送られた19日以降、西村氏は地元入りし、支持者や後援会関係者らにおわびと説明を続けている。
ビラでは、パーティー券収入のノルマ超過分のキックバック（還流）について、会長以外の幹部の関与を否定し、中止が決まっていた還流が撤回された経緯についても指示や了承したことはないとする従来の説明を繰り返している。自身の政治団体への還流については「担当秘書の判断で政治資金として活用していた。裏金となっていたということは一切ない」と主張している。
ビラを受け取った60代の男性公務員は「詳細はよく分からないが、個人どうこうという問題ではない。政治に金が掛からないようなシステムづくりが必要だ」と話した。
西村氏は報道陣の取材に「地元からは大変厳しい声をいただいている。真摯（しんし）に受け止め、いろんな機会を通じて説明責任を果たしていきたい」と述べた。【入江直樹】
