米南部テキサス州ユバルディの小学校で2022年5月に児童19人と教師2人が殺害された銃乱射事件で、司法省は18日、地元警察の対応の検証結果を公表し、現場の教室への突入を1時間以上先送りした判断が「重大な失敗だった」と結論づけた。
検証報告書によると、銃撃の通報を受けて、11人の警察官が現場に駆けつけ、銃撃犯が立てこもる教室に向かった。教室内には生徒や教師ら計36人がいた。しかし、警察官2人が銃弾の破片で負傷したことで、突入を先送りした。教室に突入したのは、最初の警察官が現場に到着してから約75分後で、銃撃戦の末に犯人を射殺した。
ガーランド司法長官は18日の記者会見で、1999年に西部コロラド州のコロンバイン高校で13人が死亡した銃乱射事件の教訓から「進行中の銃撃事件では、すぐに突入して犯人を止めることが最優先だと、警察組織では広く理解されている」と説明。突入を先送りした判断が「最も重大な失敗だ」と強調した。さらに現場で指揮命令系統が整理されておらず、警察官らの銃撃事件対応の訓練も不十分だったと指摘。「統率、戦術、通信、訓練、準備の各面で、大きな失敗が重なった」と批判した。【ワシントン秋山信一】
