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等々力渓谷、立ち入り禁止長期化 腐朽した木の伐採「数年かかる」


 東京23区唯一の渓谷として、区内外から多くの観光客が訪れる世田谷区の「等々力(とどろき)渓谷」が、昨年7月から立ち入り禁止となっている。同月に渓谷の遊歩道で倒木が発生し、区が周辺の樹木を調査したところ、幹の腐朽が進んで倒木の恐れがある木を数十本確認したためだ。区は危険な樹木の伐採を進めているが、遊歩道は道幅が狭く重機の使用ができないため、作業完了には数年かかる見通し。入場再開を求める声が寄せられており、区は「作業の進行状況をみて部分的に立ち入りを許可していきたい」としている。

 渓谷は、東急大井町線等々力駅から徒歩3分の「等々力渓谷公園」の敷地内にある。ケヤキやシラカシなどの樹木が並ぶ長さ約700メートルの遊歩道は「都心にもかかわらず、自然の豊かさを味わえる『都会のオアシス』」と人気を博している。区によると、渓谷の観光客は年間数十万人に上るという。

 遊歩道で倒木が起きたのは昨年7月6日。同日朝に遊歩道をボランティアで清掃していた区民が、高さ約20メートルのシラカシが道を塞ぐように倒れているのを発見した。区が樹木を調べると、幹の根元近くまで腐朽が進行していた。木を弱らせる病害虫が繁殖していたところに、昨夏の酷暑が追い打ちをかけ、倒木した可能性があるという。

 区は翌7日から遊歩道を立ち入り禁止とした上で、周辺の樹木約700本についても調査を実施。その結果、腐朽が進行して倒木の恐れがある樹木が他に数十本あることが判明した。

 区は今年に入り、危険な樹木の伐採を進めているが、遊歩道は道幅が狭く重機を使用することができない。区公園緑地課の担当者は「人力での作業となるため樹木の伐採や撤去に非常に時間がかかり、作業完了までに数年を要するとみられる」と説明する。

 昨年7月以降、区民らから「いつになったら渓谷を歩けるようになるのか」との問い合わせが区に相次いでいる。こうした状況を受け、区は作業が完了したエリアから部分的に立ち入りを許可する方針だ。担当者は「散策を楽しみにしている方にはご迷惑をおかけするが、安全に遊歩道を通行できる状態になるまでお待ちいただきたい」と話している。【加藤佑輔】

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