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本物のパトカーで警察ごっこ 粋な見回り、冷え込む避難所に笑顔咲く


 「泥棒止まれ~」「逮捕するぞ!」――。雪が降り積もる石川県輪島市。能登半島地震発生後避難所となっている市立輪島中学校の外で16日、元気な子供の声が響いた。近くで取材していた記者が駐車場に向かうと、パトカーの車内でスピーカーを通して遊ぶ子供たちと、その様子を笑顔で見守る山梨県警の男性警察官(24)の姿があった。

 パトカーの運転席と助手席に乗り「車を盗んだ犯人を逮捕する警察官」になりきって遊んでいたのは、小学2年生の坂口蒼太さん(8)と小学1年生の藍さん(6)。連れ添った母、秀佳さん(43)によると、1日の地震で自宅の倒壊はまぬがれたが、隣家が崩れる恐れがあるため、家族5人で輪島中に避難している。この日避難所内で子供2人が遊んでいたところ、見回りにきた警察官らに「よかったらパトカーに乗ってみない?」と声をかけられたという。

 男性警察官は山梨県警地域課所属。石川県の被災地応援で13日から輪島市に入り、避難所の見回り活動などをしてきた。蒼太さんと藍さんに声をかけた理由について「子供たちは同じ場所にずっといて退屈だろうなと思った。パトカーに乗せて気分転換になればと思って声をかけた」と説明する。

 今回の男性警察官の対応について、山梨県警地域課は、毎日新聞の取材に「山梨県警では、被災者の心情に寄り添った活動にあたるよう指示する中で、部隊員が避難所に立ち寄った際、子供たちを少しでも元気づけようと保護者の了承を得て、パトカーに乗ってもらった」と理解するコメントを出した。

 男性警察官が話す横で蒼太さんが「大きくなったら警察官になります」とスピーカーを通じて話し、周囲の笑いを誘った。最後は敬礼をしてお別れ。若手警察官の粋な計らいにより、冷え込む被災地に心温まる時間が流れていた。【水谷怜央那】

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